・・・顔には表情がある。体(ボディ)にはラインがあり、動きがある。伸び、広がり、曲がる、そのダイナミズムをメークアップで表現したい。これが僕のこの本を作らせた原動力であった。ボディメークというジャンルを本気でとらえたとき、ボディはアートの領域でのびやかにパフォーマンスし始める。それは一つの視覚言語として、かつてない感動を生み出してくれるはずだ。見た人に喜びやより大きな気持ちの高揚を与えてくれる。それこそメークの担う文化性であるだろう。アートという概念のなかった古代から、人は体を装飾する喜びを知っていた。自然の力を我がものとする一体感であり、人としての存在証明でもあった。さかのぼればメークアップの原点はそんなところにあるといえる。ボディメークアップをアートとして表現したいという僕の情熱は、必然的に「自然」をモチーフに選んだ。あらゆる生物が自然の一部として溶け込み、際立ち、様々な見事な色のパフォーマンスをしている。根源的な欲求として人間にも、もっと「色」があっていいのでは・・・・・・。体全体が表現機能を持つ顔であったなら・・・・・・。僕は視覚言語としてのメークアップの可能性を限りなく広げてみたい。企画から出版まで多くの方々にご協力をいただき、この場をかりて感謝いたします。本当にありがとうございました。

はらだ 玄